黒部ダム
画像の撮影日:2006年8月5日

宿泊した長野県大町市の大町温泉郷を出て、黒部ダムへ向かうトロリーバスの扇沢駅へ向かいます。
だんだん山奥へ入っていきます。このあたりに来ると、もう扇沢駅へしかいけなくなるので、ここにいる車は、すべて黒部ダムへ行く観光客の車です。
扇沢駅で道路も終点。ここの駐車場に車を止め、トロリーバスに乗ります。写真に写っている係のおじさんが、もう満車に近い駐車場の中を、丁寧に案内してくれました。
扇沢駅。中には食事のできる場所や売店などもあり、観光客が多くいました。
駅の改札。駅入り口で乗車券を買い、改札に並びます。トロリーバスの発車時刻の5分ほど前になると、改札が開きます。ここの乗車券はバーコードだったりします。

左上のモニターでは、黒部ダムの概要や黒部ダムに行くため通る「関電トンネル」の建設についての映像が流れていました。
また、黒部ダム付近の気温がホワイトボードに書かれていましたが、松本市や大町市がこの日も30度を越す暑さなのに対し、黒部は11度です。Tシャツで来たんだけど…。
改札が開き、大学生?のバイトの人たちが乗客のカウントをかったるそうにやっている脇を通って、トロリーバスに乗り込みます。これは、窓から見えた、洗車中のトロリーバスです。関西電力でやっているので、関電のマークがついています。

この写真に写っているようなトロリーバスが、4,5台連なって関電トンネルを通って黒部ダム駅に向かいます。トロリーバスが発車すると、車内には関電トンネル建設の様子をアナウンスで紹介していました。アナウンスの内容は、黒部ダム行きと扇沢行きのバスで違うようです。
トンネル内にも、難工事の原因の破砕帯の場所が看板で示されていたり、長野県と富山県の県境も看板で示されています。
黒部ダム駅には、数十分で着きます。ここまで通ってきた関電トンネルの建設の様子は石原裕次郎や三船敏郎出演の映画「黒部の太陽」にも描かれています(この映画はソフト化・テレビ放送は製作者の意向でされていません)。「黒部の太陽」は日本テレビでドラマ化はされていますが、これはトラブルの多い作品だったようです。

バスを降り、トンネルを抜けます。トンネル内には、ダム建設の様子が写真パネルで展示されていて、トンネル内はヒヤッとしてますが、トンネルを抜けると、そんなに寒くはなく、Tシャツでも平気でした。
そして、ダムが見えます。険しい山の中に巨大なダムを作ってしまう、人ってやっぱりすごい。
私が訪れたときは、放水が行われていました。大勢の人が乗り出すようにして見入っていました。

黒部ダムは、黒部川に作られたアーチ式コンクリートダムです。高さは186mで日本一、総貯水容量は約2億t、黒部湖を形成し日本を代表するダムです。総工費は約513億円、作業員は1000万人を超え、工事中の殉職者数は171人にもおよび、工事は大変なものだったということがよくわかります。

この場所は、大正時代から水力発電に適した場所とされていましたが、第2次世界大戦などの影響で、下流の仙人谷ダムと黒部第三発電所の建設までで止まっていました。戦後、高度経済成長で電力の需要が増えたため、黒部ダム建設計画を急遽立ち上げ、ダム建設は始まりました。
建設資材の運搬のため、関電トンネル(当時は大町トンネル)が建設され、そこでは破砕帯からの大量の冷水の噴出のため、多くの犠牲を出しました。そして、当時の最新技術を駆使し、トンネルは完成。ダム建設も進みました。そして、1963年、完成。黒部川第四発電所も動き出しました。
すごく深い谷。落ちたら助かりません。放水による水しぶきで虹がかかっています。
そして、目を上に向けると、険しく雄大な黒部の山。本当は、この黒部ダムからさらに進んで、室堂まで行くと、もっときれいな景色などが見ることができたのですが、そのためには、丸1日の時間を要するため、福島に帰る前にちょっと寄るつもりで来た私達はいきませんでした。
ダム本体を見上げられるような位置に、新展望台があります。人がいっぱいいました。
「新」展望台があるということは、新ではない展望台ももちろんあります。これは山の上から黒部ダムを見下ろせる位置にあります。よくテレビや観光ガイドで見る、ダムを見下ろした写真はここからのものでしょう。ここからみればきれいだったんでしょうけど、私の弟が、ここに上るための階段がコンクリートの壁にへばりつくように作られたものだったので、反対されいけませんでした……。
黒部湖を見る。まだ朝の9時ころだったので、景色が大変きれいでした。湖内に流木やごみが多く見られましたが、7月の大雨の影響でしょうか。聞くところによると、これらの流木にも使い道はあるようです。
ダムの上を歩いて、室堂まで行くために、ケーブルカーの黒部湖駅に向かう人がいっぱい。普通、扇沢から来て室堂まで行かずに帰る人は珍しいようです。そりゃそうだよね…。

尚、この立山黒部アルペンルートの詳しい情報、アルペンルートを通り抜ける「マイカー回送」などについては、「立山黒部アルペンルートオフィシャルガイド」をご覧ください。
ダム建設の殉職者の慰霊碑もありました。脇には、殉職者の名前も記されていました。
上に上れなかった代わりに、階段の途中から。映画の「ホワイトアウト」みたいな景色。ダムにへばりつくように付いている通路は、冬の間作業員の人がダムに付いた氷を割るために通るそうです。はっきり言って、私には向かない職業です。
悔しいからもう一枚。
トロリーバス黒部ダム駅構内。トンネルの中です。壁には、ここを訪れたいろいろな有名人のサインが貼られていました。小林麻央とかもいましたが、ほとんどがアナウンサー。

黒部ダム駅の隣には、お土産売り場や休憩所もあり、暖房がかけられていましたし、温かい飲み物が人気でした。まだなんか悔しいので、トロリーバスのチョロQを買って、扇沢まで戻ります。

生きている間に、また黒部ダムを訪れる機会はあるのか…?ないだろうね…。